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病院で働く、来ている人たちのメディカルブログ

医療技術の進歩

病院関連で事務をしている友人の話。

病院というところは、日進月歩で技術が進む分野でもあり、新しい技術に対応することも大切なスキルらしく、友人は、院内がパソコンがオンラインになっていて、「今、どの患者さんが診察をしているか」や、「この先生には何人の患者さんが診察待ちである」など、パソコンで見られることに驚いたと言っており、どの診療科とも術前検査室は繋がっているらしく、医師達が複数で一人の患者さんに対応する姿を何度も見たと言っていました。

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例えば、これから術前検査室に来られる患者さんが、今まさに診察中なのか終わったのかが、画面で見られ、医師のみならず、それぞれの科の中枢PCを操れるように看護師さんも訓練されているのにも、当たり前の風景になってきているようです。
医師や看護師などは、医療知識だけでなく、システムも理解しないとならないのですから、大変な知識量を必要とされている職業のようです。

もう1つ、仕事中に遭遇した驚いたことで言えば、術前検査室で扱うのは眼科の患者さんが一番多く、大抵は白内障の手術で来られる患者さんが多いそうです。
白内障といえば、60代から70代までの方が多い中、40代の患者さんがいらっしゃったので、その年齢の若さに衝撃を受けたのを受けたらしいのですが、手術後人工のレンズと交換しさえすれば、くっきり見えるようになるのもまた、医学の凄いところだと話を聞き思いました。

新しい技術としては、「カテーテル手術」という分野もあります。
驚くことにカテーテル手術で心臓疾患等を治療した場合、1~2週間で退院(屋はければ数日で)が可能らしく、心臓病というワードの恐ろしさよりもそれが数日の入院で治る可能性があるということが衝撃的だったそうです。
私もそうですが、心臓病の手術といえば、全身麻酔に胸を大きく切開して、数時間にも及ぶ大手術が定番だと思っている人間からすると、早ければ1時間程度で終わるカテーテル手術は、まさに魔法です。
販売をされるフェイスメディカルの営業の方に友人が、カテーテル手術が増えているのかを聞いたところ、やはり増えており、特に入院に対する厚労省の姿勢として長期入院をさせないような方針になってからはより顕著になったように感じると言っていました。

そんな最先端なイメージの医療という現場では、無機質なイメージになると思い、聞いてみたのですが、患者さんを和ます為でしょうか?年に1,2度コンサートが開かれたり、クリスマスや七夕になると、広間に飾り付けが並ぶそうです。
友人の病院でも入院棟の入り口掲示版に季節毎、楽しい展示が登場する様で、看護師長さんの持ち寄った飾りで、七夕には色んな折り紙を、クリスマスにはツリーのみならずフェルトで作った靴下やステッキ、ラメ糸チェーンなど楽しい飾り、患者さん達の気持ちを、少しでも明るくしてあげようとする看護師さんの優しさが見られ、その楽しい作戦に友人も参加していたそうです。
友人の思い出としては、箒に乗った魔女や、縞々のステッキ、小さなサンタさんのオーナメントを患者さんと一緒に飾ったのが印象的だそうです。

病院という場所では、命を扱う関係上「よりよい技術を、より安全な技術を」という部分と「忙しい」という部分があり、自動化できる部分や情報共有を如何に密にとるのかなど「効率」が求められるのですが、どうしても「人と人」の関係だけは変わることがないので、その部分では、まだ有効な新しい技術はないのかもしれません。

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患者さんのあれこれ

これは、大き目の総合病院に勤める友人から聞いたお話です。

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(1)トランスジェンダー
当時は、まだネットでの予約などない時代だったので、外来受診後の次回予約や電話での予約業務などをするようなころのことです。
その患者さんは、髪が長くて身長と胸が大きい「女性」でした。
外来受診後の次回の予約を取得しに来たのですが驚いたことに顔を見るとあきらかに40代の「男性」でした。ブラウスにスカート、低めのヒールをはいていたので、後ろからみると「女性」なのですが顔はどう見ても「男性」だったので、ご本人に分からない様に診察カードや計算シートを見ましたが性別は「男性」で名前も「ツトム」や「ヒロシ」のような名前。
今でこそ「マツコ・デラックス」さんや「IKKO」さんなど芸能界でもトランスジェンダーの方が活躍され、同性婚などについても議論がされる時代がですが、その当時は、まだまだ認識的に遅れていた時代だったため、友人もそして現場の病院も大変驚いていたそうです。
そして一番困ったのが「どう対応すべきなのか?」だったそうです。
これに関しては、今でも議論が多いと思いますが、当時の上司の方がご本人にどうしてほしいのかを直接聞いたそうです。(今だとあり得ない???)
ご本人として、普通に「女性」として接してほしいとの要望があり、一応、その要望に近い形で対応したそうです。但し、1点、トイレだけは他の患者さんのこともあり「男性用」の使用をお願いしたそうです。

(2)青ペン注意報
その患者さんは、青ペンでメモを取っていると「青ペンは嫌い!」と感情的になったり、処方箋に皺や折れがあるものしか受け取らなかったりと受付としては非常に神経を使うお子様だったそうです。
受付としては、お子様も大変かもしれませんが、親御さんも大変だったそうです。
ちょうど、そのような症状に対する認識が「癇の強い子」という認識から「病気」としてとらえる方向になっていったころで、薬での治療が模索されていた時期の頃です。
今では専門的な治療なども進んできていますが、当時は、まだまだ大変な時期でしたが、親御さんの努力のかいもあり、数年経つうちに徐々に行動に落ち着きが出てきそうです。

(3)いいまつがい、ききまつがい
その後輩は、とりあえず「おっちょこちょい」だったそうです。
予約取得の電話を受けていて○○(苗字)おさむ(名前)さんという方の名前を確認する際に
「○○ おさる様ですね!」
と言っていたので、隣で聞いていた友人は、「お猿??」と思ったのですが
「すいません!おさむ様ですね!」
と電話口で謝罪していたそうです。あとで後輩に聞くと相手も怒らず笑っていたそうなので笑い話で済んだのですが、この後輩は、「〇〇ですねー」と言おうとして「〇〇デスナー」と言ってみたりと、内科外来のレセプト点検をしていて、「下部内視鏡検査」について話していたのですが、後輩が下部内視鏡検査を「げぶないしきょう」と言ってみたりとおっちょこちょいなのか天然なのかわからなったそうです。
こんな後輩ですが、なぜか「お金」だけにはしっかりとしており、駅前なので見かける「手相見せて下さい。」攻撃や友人からの謎の「鍋買え」攻撃など、一見ほいほい買ってしまいそうですが、その場で数名の方に説得されても決して購入はしないそうです。
理由を聞いたところ
「効果があるか不明な物や料理しないのに鍋と言われても。」
となぜかそこだけリアリストだったのには驚いたそうです。

病院という場所は、人であれば、病気にもなりケガもするかもしれないため、いろいろな人がやってくる場所です。
一番象徴的な場所は、受付なので、その場に来る人、受け付ける人にはいろいろなタイプの方がやってくるようです。

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病院の裏方

病院には「医師」「看護師」「技師」といった純粋に医療行為を行う仕事とその仕事の支援する裏方の仕事があります。

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友人は、健康診断や、ガンと診断された患者さんのMRやCT検査などを行う医療機関で、院長はじめ、常勤、非常勤ドクター30名ほどのスケジュール管理、毎月のシフト作成、電話応対、来客対応、お礼状を含む文書作成、それ以外に付随する庶務業務を担う秘書を行っています。
お分かりあと思いますが、裏方の大変な部分というのは、管理する医師、看護師や技師などという人たちの気持ちをうまく酌むことなのです。
この様な仕事というのは、どうしてもプレッシャーやストレスが溜まりやすく一癖二癖ある人たちが集まりやすいというか、人を助けたいと思うとそれに邁進して回りが見えなくなりがちです。
患者さんとしては、とてもいいことなのですが、一緒に仕事をしているとやっぱり大変で、お互いがそれぞれ「命」を預かっているので、言わなかったことで後悔するような結果になるくらいなら、言ってやってみて結果が良ければいいじゃないかと考えがちになったとしても致したかないと思うのです。

友人は、最初は戸惑いや葛藤もあったようですが、人となりがわかってくると付き合いやすくなるようです。

施設内で検査中、急に容態が悪くなった患者がいたのでどうすべきか、という連絡が看護師から入り、要請を受けた院長が患者さんの元に向かいました。
駆けつけた院長がその患者さんをみて
「今すぐ医者を呼べ!」
と一言。救急車を呼んで病院搬送となったのですが、院長の一言に周囲の人間は「?」。
きっと、「あなたも医者でしょう?」と皆思ったのですが、看護師や職員は、すぐに救急車を手配していました。
後で院長に尋ねると、
「久しぶりに現場に出たものの、自分の専門外の患者であったため、専門の医者に見てもらうのがベストだろうと考えていた。」
とのこと。また、患者さんが急変するかもしれないという思いもあり、上記の発言になったそうです。
これまで百戦錬磨で長い経験を持ち、しかも院長の立場でそんな発言をするのかと驚きつつ、立場のある人であっても人命がかかると自分のプライドよりも優先することに驚いたそうです。

その他にも
(1)医師も社会人
夏場に若い男性医師が暑かったからと、タンクトップを着て出勤してきたケース。
見かねた管理職が、患者の前に出るのだから少し服装にも気をつけるよう注意したところ、男性医師は、
「白衣を着るし、ボタンを閉じるから見えないから大丈夫と思った。」
と発言し、謝罪したそうですが、私としては、さすが、ドクター効率を考えればそうなのですが、それを実際に実行する行動力と納得した場合の手のひら返しが素晴らしいと思いました。

(2)医師の不勉強
朝から咳をしていた女性医師がいたので、当日は現場でなく内勤を命じられたのですが、マスクもせず咳はひどくなるばかりだったので、見かねた院長が、今日は帰って休むよう指示しましたが、女性医師は
「咳はしているが、人に向けてしているわけではないので伝染ことはなく、私の咳は夕方になれば静まるので、帰る必要はないです。」
と言い切りましたが、それに対して院長は、
「それが医者である発言ですか?信じられません!」
と言い、業務命令として帰宅を命じたそうです。
医師としては、ありえないのですが、どうも信じた物をなかなか変更できないタイプの方だった様ですが、さすがに飛沫感染に関してはちゃんと勉強してほしい事案でした。

医師といっても人間ですので、欠点も失敗もあります。
診療での失敗はいただけませんが、生活の中であればそれも愛嬌なんだと思います。
そして、この様な難しい方々をうまく誘導(?)して気持ちよく仕事環境をつくる友人には脱帽します。

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